2018.9.18
風疹が流行の兆し
風疹の患者数が9月時点で累計362人となり、
昨年の約4倍に上ったことが国立感染症研究所の調査で明らかになりました。
東京や千葉など関東の患者数が全国の約7割を占めていますが、
愛知県など全国に流行の兆しがみられています。
そもそも風疹とはどのような病気か
風疹とは、患者のせきやくしゃみから「飛沫(ひまつ)感染」し、
平均2〜3週間の潜伏期間を経て
発熱、発疹、耳の下から首の腫れなどの症状が現れます。
一般的には、子どもの方が症状が軽く、大人は重症化する恐れがありますが、
いちどかかると大部分の人は生涯風疹にかからないといわれます。
そして何より怖いのが、妊娠中の女性が風疹に感染した場合。
母親が感染すると胎児にも感染し、先天性風疹症候群と呼ばれる障害を
引き起こす可能性があることです。
厚生労働省は、妊娠20週ごろまでの女性が感染すると、
先天性風疹症候群の子どもが生まれる確率は、
妊娠1カ月でかかった場合50%以上、妊娠2カ月の場合は35%と
高い確率で影響を及ぼす場合があると報告しています。
30代から50代の成人男性は要注意
風疹に感染しないためにはどうすればよいのでしょうか。
最も有効な予防手段に、風疹ワクチンの接種があります。
しかし、妊娠中の女性は風疹ワクチンを接種することができません。
胎児への感染を防ぐには、周りが予防することで妊婦を守る必要があります。
2018年8月末時点の感染者の内訳をみると、
感染者の93%が成人で、なおかつ男性は女性の3倍以上、
また、男性の30代〜50代が全体の79%を占めています。
出産・子育て世代でもあるこの世代は特に注意が必要です。
風疹ワクチンを接種していない世代
平成28年度の感染症流行予測調査で、
30代後半〜50代男性の5人にひとり、
20代〜30代前半の男性の10人にひとりは
風疹の免疫を持っていないことが明らかになりました。
この世代は風疹ワクチンを接種する機会がなかったためと推測されています。
自治体によって無料で風疹抗体検査がうけられることも
妊娠を希望する女性やその配偶者などを対象に、
無料で検査を実施している自治体もあります。
風疹を他人事と思わずに、まずは検査をうけ、
必要な場合は風疹ワクチンを接種しましょう。